Blitz Gallery updated 2017-03-17

Past Exhibition

マイケル・デウィック写真展
Michael Dweck 「American Mermaids」

2008年10月14日(火)~12月20日(土)

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(C)Michael Dweck

現在欧米で注目されている写真家マイケル・デウィックの新作展です。本展は「The Surfing Life」(2006年)に次ぐ当ギャラリーでの2度目の個展です。

マイケル・デウィックはニューヨーク州生まれの50歳。長年広告業界で活躍した後、40歳代で写真家に転身しました。彼は、ロングアイランドの漁村モントークの消え行く地元サーフィン文化をドキュメントした「The End : Montauk, NY」で2002年に作家デビュー。同時多発テロ後で自信を失っていたアメリカ人は、古きよき時代の気分が凝縮された彼の作品に瞬く間に魅了されます。ササビーズ・ニューヨーク、パリフォトなどで作品が展示されマスコミで注目されるとともに、著名コレクターやセレブが彼の作品をコレクションしたことも話題となります。

彼が追求するテーマは一貫して古きよき時代の憧れのアメリカン・イメージを現在に再構築すること。マーメイドというと、ロン・ハワード監督によるダリル・ハンナ主演の映画「スプラッシュ」や、ディズニー映画の「リトル・マーメイド」など、美しく若々しい女性像が思い浮かびます。新作では、現代に生きるマーメイドたちのドキュメントを通して理想のアメリカン・ガール像を探求しています。今プロジェクトはフロリダ州の小さな漁村アリペカが舞台。マイケル・デウィックは、澄み切った水と共に実際に生活するこの地の美女たちを現代のマーメイドに見立てています。「ウォーターベイビース」と呼ばれる彼女たちはまるで水中が住みかのように生活し、5~6分間も水中に潜ることができるそうです。水中空間を背景に撮影されたブロンドヘアーの女性たちは、光、影、反射、水のレンズ効果を通してまるで抽象絵画のように表現されています。夜間の水中撮影も数多く行われ、彼女たちの美しい肉体が、闇の中にシンプルかつモダンに浮かび上がります。
マイケル・デウィックのマーメイドたちは完璧なボディーが強調されていますが、顔のアップはほとんど撮影されていません。価値観が多様化した現代では、誰もが認める絶対的な美人などもはや存在しません。見る側は顔が見えないマーメイドのイメージに想像力が掻き立てられ、それぞれが持つ理想のアメリカン・ガール像と重ね合わせるのです。本作はマーメイドで現代を象徴的にとらえたファッション写真でもあります。アメリカ文化の影響を受けた日本人にとってもマーメイドは憧れの女性像の象徴です。ぜひご自分の持つファンタジーを本展のマーメイドたちの姿に重ね合わせてご覧いただきたく思います。

本展はギャラリーでの世界巡回展の東京展です。約50X60cmの大判モノクロ・カラー作品約20点が展示されます。限定2000部の写真集「MERMAIDS」(Ditch Plains Press刊)、オリジナル・プリント付き限定100部のサイン入り写真集特装版、サイン入り限定ポスターも販売されます。