Blitz Gallery updated 2017-10-30

Past Exhibition

百瀬 俊哉
サイレント・シティースケープス
Toshiya Momose
“Silent Cityscapes”

2013年1月16日(水)~ 3月23日(土)
1:00PM~6:00PM/ 休廊 日・月曜日 / 入場無料

inf_press_56_image1.jpgSilent City, New York, 1994 ⓒ Toshiya Momose

2013年最初の写真展として、百瀬俊哉による「サイレント・シティースケープス」を開催いたします。

百瀬は世界中の国を訪れ、都市風景を長年撮影している写真家です。彼はカメラを構える前に、まずその地の状況を心身で体感するために街中をあてもなく歩き続けます。長時間歩き続けるとやがて心がニュートラルになる瞬間が訪れるそうです。それは体力が限界近くまで消耗しており、良い写真を撮ろうというエゴがなくなる瞬間。彼にとって写真自体ではなく、撮影自体が意味を持つようになるのです。その行為は一種の座禅の修行や瞑想に近いのだと思います。本展の展示作品はすべてそのような瞬間に生まれたものです。
自然の中に身を置き宇宙のリズムと一体となりながら撮影する写真家は数多くいます。しかし、百瀬は都市の喧騒の中にあえて身を置きながら宇宙のリズムとの接点を探求するのです。写されているのは、私たちが見たことのない静寂なシティースケープ。人が溢れ騒がしい都市に慣れ親しんだ私たちが何気なく見過ごしている一瞬を彼はとらえています。

都市を構成する様々な要素は人間のエゴや欲望が投影されたものです。都市の魅力と感じるものは実は見る側が作りだしている幻想なのです。百瀬の視点の先には、潜在的な意味を持つ記号的な都市や生活は消え去っています。そこには人間の様々な思いが消え去った、都市の本当の姿が見えてきます。それはまるで急に人が消え去ってしまった現代都市の遺跡のようです。
現代人の日々の生活も数々のエゴと欲望に影響を受けています。私たちはそれらが原因で様々な苦しみや悩みを抱え込みのです。百瀬の静かな都市風景は私たちが普段は忘れている日常生活の本質を提示してくれます。私たちは、それに気づかされることで自らを違う視点で眺めるきっかけを得るのです。

彼の作品は日本の伝統的文化の背景となる禅の精神性との関連を持つものの、写真史的には空っぽの都市を撮影したジャン・スタラーの「フロンティア・ニューヨーク」(Hudson Hills 1988年刊)や、夜間から明け方にかけて長時間露光で撮影したマイケル・ケンナの「ナイト・ワーク」(Nazraeli 2000年刊)の延長上にあります。東洋の精神性と西欧のコンセプト重視の表現方法が融合した作品と言えるのではないでしょうか。
本展では1994年~2009年までに、ニューヨーク、東京、上海、イスタンブール、ブエノスアイレス、ハバナ、デリー、ムンバイなどで撮影されたカラー作品23点が展示されます。全作本人制作の大変美しいデジタル・タイプCプリントです。
是非百瀬俊哉の写真世界をご高覧ください。

百瀬俊哉(ももせ・としや)プロフィール

1968年 東京生まれ
九州産業大学大学院芸術研究科修了
現在 写真家・九州産業大学芸術学部教授

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受賞歴

2002年 第21回土門拳賞
2000年 日本写真協会新人賞
1997年 第2回東京写真ビエンナーレ富士フイルム賞
1996年 第7回コニカ写真奨励賞

主な展覧会

2009年 『インド照覧』東京都写真美術館(旅展)
2008年 『Stills』PARROTTA CONTEMPORARY ART (ドイツ)
2007年 『Neverlandマイ・ハバナ』コニカミノルタプラザ(新宿・東京)
2004年 『Concerto〜ブエノスアイレス〜』コニカミノルタプラザ(新宿・東京)
2001年 『CROSS CITY』ニコンサロン(新宿・東京)
1999年 『グランド上海』コニカプラザ(新宿・東京)
1998年 『EAST=WEST』新宿パークタワー(新宿・東京)
1997年 『八イパーリアル・トーキョー』コニカプラザ(新宿・東京)
1996年 『American Southwest』ニコンサロン(銀座・東京)
1994年 『SILENT CITY』ニコンサロン(銀座・東京)

写真集

2012年 『Land's End North x South』㈱窓社
2009年 『インド照覧』 ㈱窓社
2007年 『Never Landマイ・ハバナ』 ㈱窓社
2004年 『Concerto イスタンブール〜ブエノスアイレス』 ㈱窓社
2001年 『東京=上海』 西日本新聞社
1997年 『EAST=WEST』 西日本新聞社