Blitz Gallery updated 2017-08-30

Past Exhibition

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ⓒ Tomio Seike 禁無断転載
トミオ・セイケ 写真展
「Timeless Time」

2013年 9月14日(土)~ 12月7日(土)
1:00PM~6:00PM 入場無料 
休廊 日・月曜日 および 9月24日~28日

欧米のアート写真シーンで活躍している写真家トミオ・セイケの新作写真展「Timeless Time」(タイムレス・タイム)です。本展では、2012年11月に集中的に撮影されたチェコ・プラハのシティースケープが展示されます。この地を訪れる多くの写真家は21世紀の現代に中世の面影が残るシーンを探し求めます。現代の痕跡を覆い隠すために夜間の写真が多いのも特徴です。しかし、セイケはあえて、現在と中世の面影が混在しているプラハの街並みを昼間に撮影しています。彼は私たちに西洋文化の本質にもっと目を向けて欲しいと考えているのではないでしょうか。多くの人が愛でる西洋文化の本質は、古いものを大事にしつつ新しいものを受け入れること。それは表層ではなく精神性にこそ意味があることを伝えたいのだと思います。

本作はコンパクト・デジタル・カメラ(コンデジ)とインクジェット・プリンターで制作されています。彼がデジタルに精力的に取り組んでいる背景には、最近の写真界におけるデジタル化の流れがあります。工業製品のフィルムはメーカー都合でいつ生産中止になるかわかりません。しかし写真家はフィルムがなくなっても作品制作を止めるわけにはいきません。セイケは過去数年間にわたり、このような問題意識を持ってデジタル作品の可能性を追い求めてきました。最近は、急激なデジタル化の反動からアナログカメラ、銀塩写真を再評価する動きも散見されます。しかし、セイケは議論のポイントは銀塩かデジタルではないと考えます。最近の更なる技術進歩と多種類の専用用紙の市場への供給により、いまやデジタル作品であっても銀塩写真と何ら変わらないクオリティーを持つという確信があるのです。もちろんその前提には作家独自の表現をプリントで追求する絶え間ない努力は必要になります。
実際、当初はデジタルに否定的だった欧州のアート写真界でも認識が変化してきました。2011年にはロンドンの老舗写真ギャラリー、ハミルトンズでセイケのデジタルによる作品展が開催されて大成功を収めているのです。

セイケのデジタルカメラでの作品制作プロジェクトはシグマのDP2との出会いから始まりました。今回は全作がシリーズ最新型のDP3メリルで制作されています。大きな改善点はRAWでの撮影画像を直接モノクロに変換できる現像ソフトが追加されたこと。以前より、デジタル処理の過程が減ったことでイメージの描写力が更に増しています。ライカで知られるセイケがコンデジで作品制作することに違和感を覚える人もいるかもしれません。彼は私たちに、良い作品を制作するのにカメラ機材以上に作家のオリジナルなスタイル確立が必要なことを伝えたいのです。高価なライカと違い、DP3メリルはアマチュアでも購入可能です。しかし、本展の展示作品を見れば、同じカメラでもセイケのような写真世界の確立が容易でないことに気付くと思います。

本展では、シグマDP3メリルで撮影され、デジタル・アーカイバル・プリント(*)で制作された約20点が展示予定です。一部大判プリントも含まれる予定です。トミオ・セイケの最新のデジタル作品の世界をぜひご覧ください。

○ 写真展特別イベント

トミオ・セイケ・トーク・イベント 「シグマDPシリーズのすべて」
9月15日(日) 午後2時~4時
ゲスト福井信蔵氏
参加無料 : お申込み受付は、9月8日24時をもって締め切りました。