Gijsbert Hanekroot(ギスバート・ハイネコート, 1945-)は、1969年~1983年にかけて写真家として"OOR", "Nieuwe Revu","Margriet","Viva"などの雑誌や新聞で活躍しました。
写真は独学で、写真家のアシスタント時代にジ・アウトサイダース(The
Outsiders)のライブを撮影したことがきっかけでロック・フォトグラファーの道を歩み始めました。1970年~1975年にかけては、オランダの音楽専門誌"OOR"の最初の専属写真家としてミュージック・シーンを精力的に撮影。アントン・コービンがアシスタントだったこともあるそうです。ちょうどジャズからロックへの過渡期だったことから、彼はジャズやブルースの巨人たちから、カリスマのロック・スターまでを幅広く撮影しています。
2008年に彼の初写真集「ABBA...ZAPPA」が刊行。同書には、AからZまでのミュージシャンのライブとオフ・ステージのシーンが高い完成度で撮影されています。それらは、デヴィット・ボウイ、ジョニ・ミッチェル、チェット・ベイカー、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ジェームス・ブラウン、ニール・ヤング、ジョニー・キャッシュ、アリス・クーパー、ボブ・マーリー、ブライアン・フェリー、エルトン・ジョン、ローリング・ストーンズなど錚々たる人たちです。
80年代前半、ハイネコートはいったんミュージック・シーンの撮影をやめて、企業家に転身しています。その後、写真展開催依頼がきっかけとなり、彼は2年の歳月を費やして膨大なアーカイブの整理整頓に取り組みます。過去のネガをスキャニング、再解釈してデジタル・ピグメント・プリントによる作品制作を開始。単なるライブ写真を超えた魅力的な作品群は当時を知る多くの音楽ファンを魅了します。いまでは欧州やロシアで写真展が相次いで開催されています。
Lennon / Ono, London, 1971
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